【業界研究】IT業界の仕事の流れとやりがいを就活生向けに解説する

IT業界には様々な領域が存在するが、その中で最も規模が大きい領域は企業や官公庁などが自分たちのビジネスやサービスを提供するために用いるシステムだ

もはや、企業が自分の顧客にサービスを提供する際には、必ずシステムが必要な時代となっており、私達の身の回りにはシステムが溢れている状況といえる。

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システムはどんなところで利用されているのか

皆さんが日々生活する中で、見える部分ではもちろん、見えない部分でもたくさんのシステムが使われている。

皆さんに身近なところでいえば、大学には「教務システム」というものが導入されている。

最近ではWebポータルから履修登録をする大学が多数だと思うが、皆さんがインターネットで履修登録をする機能も教務システムの一部だ。

皆さんは直接見ることは無いけれども、履修登録された情報は裏側にあるシステムで保持されている。

その授業をだれが履修していて、成績がどうなったかといった情報がすべてシステム上で管理されている。

そして、教務システムが作成した成績表が、最終的に皆さんの手元に届くわけだ。

世の中では、このように見えないところでも多くのシステムが使われている。

システムはどうやって作られているのか

では、このシステムはどのように作られているのか。そして、システムを作る仕事とは具体的に何をやるのか。

それを紐解くと、IT業界で働くということが、より具体的に感じられると思う。

システムは段階ごとに作っていく

システムを作る際には、その段階(フェーズと呼びます)ごとに明確に区切りを入れる。

これは、長年の経験のもと、段階的にシステムを作ることが最も効率的であるとわかっているから。これを専門用語でウォーターフォールモデルという。(一応詳しい人向けに補足すると、近年、業務用のシステムにもアジャイル開発を導入する例が出てきているが、まだまだ主流はウォーターフォールだ)

そして、多くの場合フェーズごとに役割分担がされ、会社によっては特定のフェーズのみ担当するケースもある。

よって、あなたが入社する会社によっては、あなたがイメージしていた仕事とは別の仕事しかやっていないという可能性もあるのだ。

フェーズ分けの単位は、以下の図のとおり。一つずつ、どのようなことをやるのか説明していく。(これも詳しい人は「もっといろいろあるだろ!」と思うかもしれないが、ここではあくまで優しく説明するために簡略化している)

フェーズ分けの考え方は、IT業界においてとても重要となる必須知識だ。

自分がシステム開発の流れのうち、どの仕事をやってみたいのか考えることで、あなたの志望動機はより強固なものになると思う。

企画フェーズ

これはどの分野でも変わらないと思うが、どんなことでも一番最初にやることは「そもそも何をやるか決める」ことだ。

システムでも同じように、最初にどんなシステムを作るか考える必要がある。

これを、企画フェーズなどと呼ぶ。

企画フェーズは、どんなシステムを作るのか考える段階だ。

企画フェーズで重要なのは、目的として「なぜ」そのシステムを作るのか、そのシステムによりどんな効果を生み出せるのかを明確にすることだ。

企業は営利目的で活動するので、収入が見込めないのに、お金をかけてシステムを作るわけにはいかない。なので、目的や効果をはっきりさせる必要がある。

通常、企画フェーズはシステムが欲しい会社が、自分たち自身で行う。普通に考えて、自分が欲しいものは自分にしかわからないから。

この、システムを必要としている会社のことを、IT業界ではユーザ企業と言う。

ユーザ企業の内部には、ITの専門家である社内SEと呼ばれる存在がいて、企画フェーズをリードする。

しかし、大規模なシステムを作る場合には、社内SEだけでは手に余るケースもある。

その場合、外部のITコンサルタントを雇い、支援を要請する。

システムの企画をやりたいという人は、社内SEになるか、ITコンサルタントになる必要がある。

(補足だが、最近ではSIerもITコンサル的ポジションで動くケースが増えており、SIerの営業ポジションの人がユーザ企業の企画を支援することもある)

やりがいは?

全く新しいところからシステムを作り上げることになるため、創造性を使った仕事ができる。

また、お金やスケジュールなどの制約条件を満たしつつ、実現可能なシステムを作ることは、難しいですが面白い仕事と言える。

苦労は?

0から1を作り出す作業となるので、自分の考えが本当に正しいのか、常に不安と闘いながら仕事をすることになる。

また、たいていの場合、社内・社外には多くのステークホルダーが存在し、彼らの利害関係を調整するという果てしなく面倒で難しい業務をこなす必要がある。

その結果、当初思っていたようなシステムが実現できず、悲しい思いをすることも多々。

要件定義フェーズ

企画フェーズが完了したら、要件定義フェーズに入る。

「要件」という言葉を聞きなれない方も多いと思う。

要件とはIT業界に特有の単語で、どんなシステムが欲しいかを「システム的な言葉で」定義したものだ。

システム的な言葉で、というところがポイントで、一般的に「こんなシステムを作りたいんだ!」と考えても、それをそのままシステムにすることはできない。

システムを作るためには、そのために必要な情報を網羅的に定義する必要がある。

例えば、「そのシステムは何人が使う見込みなのか」ということがわからなければ、どのくらいの規模のシステムを作ればいいかわからない。

このようにシステムを作る上で必要な要素について決定していく作業が要件定義であり、要件定義フェーズで実施することだ。

要件定義フェーズは、たいていの場合SIerが重要な役割を担う。

SIerは、システムの専門家としてだけではなく、お客さんのビジネスを理解した上で、ビジネスとシステムを繋ぐ役割が求められる。

やりがいは?

モノ作りが好きな人にとっては、システムを組み立てていく快感を感じられると思う。(私も要件定義作業はかなり好きだ)

特にSIerの立場では、お客さんと一緒になってシステムを具体化していく楽しみがあると思う。

苦労は?

SIerは、お客さんが意思決定できなかったり、コストやスケジュールの面から無謀な要求をしてきたときに、なだめたり、すかしたり、適切に対処する必要がある。

お客さんがシステムに詳しくなかったりすると、特にその傾向が強い。

要件定義フェーズは、システム開発の流れの中でもかなり人間的な要素が強い部分と言える

設計・開発・テストフェーズ

要件定義が終われば、いよいよシステムの開発が具体化していく。

システムの開発は、大きく「設計」「開発」「テスト」の段階で実施される。

設計フェーズは、要件定義で決められた内容を、プログラムにするための前さばきの段階だ。

具体的に言えば、どんな入力画面とするかレイアウトや項目を決める画面設計をしたり、そのシステムがどんなデータを扱うか決めるデータベース設計をしたりする。

次に、開発フェーズでは設計された内容に基づき、実際にプログラムを書いてシステムを作り上げていく。

最後に、開発フェーズで作られたプログラムがきちんと動作するかテストフェーズでテストを行い、無事にシステムは完成を迎える。

ケースによるが、設計はSIerが自分でやることもあるし、下請けの会社に委託して自分たちでは実施しないこともある。開発・テストについては、あまりSIerが自分ではやらない場合のほうが多い。(専門的な事を言うと、テストにも様々あり、テストの後半はSIerが自分でやったりするケースもある)

やりがいは?

システム開発の中で、最もモノづくりに近い領域だ。なので、システムを作り上げている感覚は一番得られる領域だと思う。

特に設計フェーズは創意工夫により、性能面やデザイン、使いやすさなどの観点でシステムをよりよく改善できる段階だ。

オタク気質な人にとっては、かなりやりがいのある仕事だと思う。

苦労は?

正直に言えば、これらの作業を担当する会社の給料は安い。これらの仕事は、誤解を恐れずに言えばだれでもできる仕事(とみなされやすい)からだ。

また、労働時間も長時間になる傾向があり、そういう観点でもあまりオススメできない。

個人的には、モノ作りが好きで、プログラムを書きたいという気持ちが強い人は、Web系など別の領域の企業に入るほうがよいと思う。

運用・保守フェーズ

テストが終わったシステムは、晴れてリリースされ、世の中で使われ始めることになる。

しかし、システムは使われ始めてからが長い。

日々利用されているシステムが正しく動いているのか、エラーは起きていないのか確認する必要がある。

また、いろいろな事情でシステムを修正しなければならなくなるケースも有る。例えば、消費税率が変わるとなれば、世の中の多くのシステムは税率の変更対応が必要になる。

このように、システムが正しく動作するように継続して努力し続ける必要があるのだ。これを、運用・保守フェーズと言う。

この段階になると、SIerは自分で業務を行わず、子会社や関連会社などが業務を担当する。理由は、、、ぶっちゃけて言えば、給料が安い仕事(=お客さんから高い料金を取れない仕事だからだ。

システムの仕事のうち、どれをやってみたいか

以上でシステムが作られる各段階の説明は終わりだ。

もう一度復習すると、システムは「企画フェーズ」「要件定義フェーズ」「設計・開発・テストフェーズ」「運用保守フェーズ」の流れで作られ、利用されていく。

ここまで読んできて、システムの仕事の流れはイメージできただろうか。

IT業界に入り、自分はいったいどの仕事をしたいのかイメージした上で会社選びをすることは、入社後のミスマッチを防ぐためにも非常に重要なことだと思う。

私の知人にも、IT企業に入社したはいいものの、思っていたイメージと違いすぐにやめてしまった人はたくさんいる。

また、志望動機を考える上でも、その会社がどんな仕事をしているのかイメージすることは非常に重要となると思う。

あまりにも現実と違う志望動機を話してしまえば、企業の面接官はその人を採用しない。

面接官が適切な志望動機を話せない就活生を落とすのは、どちらかというと就活生のためで、入社後のミスマッチによる早期退職を防ぐ意味がある。

志望動機を考える際には、その会社がシステム開発の流れのうち、どんなことをやっている会社なのか考えてみると良いと思う。

そうすると、より深く「なぜその会社なのか」を話せるはず。

より面接官に伝わる志望動機を作ろう!

志望動機を考える際に、まったく0から考えるのは難しい。

そういうときにおすすめなのが、他の人の志望動機を参考にする方法だ

このサイトでも、いくつかの企業の志望動機の書き方について紹介してみた。参考になったら嬉しい。

NTTデータの企業分析と志望動機の書き方 サンプル付き
NTTデータは言うまでもなく、日本で最大級のSIerだす。特に、官公庁系や金融系ではデータは国内のSIerで圧倒的な実力を示している。 ...
野村総合研究所(NRI)の企業分析と志望動機の書き方 サンプル付き
野村総合研究所(通称NRI)は、野村證券のシステム部隊を出自とする企業だ。 その事業分野は多岐にわたり、「総合研究所」という名前通り、コン...

また、幸いなことに、最近では過去の就活生のエントリーシートを集めたサイトがある。

例えば、就活ノートだ。

就活ノートは、日本最大級のエントリーシート掲載サイトで、なんと1000社以上の合格エントリーシートを読むことができる。しかも無料だ。

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