ITは、もはや私たちの生活になくてはならないものになっている。
あらゆる場所・仕事・モノにはIT技術が使われている。もはやIT抜きに成り立つものなど内倒状況だ。
少し見回しただけでも、日々利用するスマホ、TwitterのようなWebサービス、コンビニのPOSレジ、銀行で利用するATMなど、いくらでも例がある。
それくらいに当たり前のものになっているIT技術なので、IT業界と一口に言っても広い分野が存在する。
いざ会社を選んだり、志望動機を作るときに、「IT業界を志望している」というだけだと弱い。もっと具体的に考える必要がある。
そこで、様々な理由でIT業界を志望しているであろう皆さんに向けて、IT業界にはどんな種類の企業があり、どのような仕事をしているのか紹介してみようと思う。
ここでは、あくまでIT業界に詳しくない人向けに書いてみようと思う。
すぐ下に書いてある絵を見て、各ポジションの役割分担と仕事内容がわかっている人は、多分この記事を読む必要はない。
ざっくり言えば
ざっくりと、IT業界は以下の構造で成り立っている。(ほんとはこんなに簡単ではないのだけれども、わかりやすくするために簡略化している)
それぞれ、どのような役割で仕事をしているのか紹介していこうと思う。
SIer
SIerは、お客さんのニーズに合わせて、最適なシステムを作り上げる会社だ。
読み方は「エスアイアー」。多くの会社がSIerとしてビジネスを行っており、就職先の母集団としては最大となるだろう。
IT業界の就職を考えている人が、就職先を探した際に候補にあがる会社の多くは、SIerだと思ってよいくらいだ。
SIerとは、「System Integrator」の略で、つまりシステムを構築する人という意味だ。
SIerは、お客さんの要望に合わせ、ソフトウェアやハードウェアなど、様々な製品を組み合わせてシステムを提供する。
SIerは、仕事を受注するとまず、お客さんと話をしながらどんなシステムを作っていくかを決める。これを要件定義という。
何を作るか決まったら、実際にプログラムを書いたり、システムが動作する箱であるサーバーを用意したりして、システムを作り上げていくことになる。
そして、最終的に完成したシステムをお客さんに納品するところまでがSIerの主な仕事だ。
SIerの価値は、システムに詳しくないお客さんに対して、そのニーズをくみ取り、お客さんが欲しいシステムを作り上げ提供することにある。
日本では、お客さん側にシステムに詳しい人が少ないこともあり、多くの場合SIerがお客さんを引っ張りながら仕事をしていく必要がある。(個人的にこの風潮はなんとかしなければならないと思っている)
とはいえ、ここにSIerの価値がある。
SIerの企業の例はこちら。
ユーザー企業(社内SE)
IT業界を目指す就活生として忘れてはいけないのが、SIerのお客さん側、つまりシステムを必要としている会社だ。
このような会社をIT業界的にはユーザ企業と呼ぶ。
現代ではITを使わない会社などほぼ存在しない。よって、世の中にある会社は、ほとんどすべてユーザ企業と言える。
しかし、業界によってITの重要度は変わり、例えば金融業界などはITが重要な業界の筆頭だ。ITを重要視している会社では、IT部門での採用も活発に行われている。
いくらSIerがついているとはいえ、会社にシステムを導入する際に素人ばっかりではうまくいいかない。それこそ、100%SIerにおんぶにだっこになってしまい、値段を釣り上げられても、手を抜かれてもわからない状況になってしまう。
なので、大概の会社は社内にシステムの専門家を雇っている。このシステムの専門家を、社内SEと呼ぶ。
社内SEには、豊富なシステムの経験が求められるため、中途の人材を採用する会社も多い。しかし、大企業の中には、システムを重要視し、システム枠で社内SEを新卒採用する会社がある。
社内SEとして採用されると、大企業と同じ勤務体系や給料水準が適用されるため、就活生には人気がある。
(近年は改善傾向にあるとはいえ、IT業界は長時間労働が蔓延しているから・・・)
システム枠での募集は、年によって有無が異なるため、具体的にどの会社にシステム枠があるかは何とも言えない。
が、銀行などの金融業や、JRなどのインフラ系では、システム枠の採用があるケースがあるので、ぜひ探してみてほしい。
ちなみに、私が就職活動をした際には、以下の会社でシステム枠での採用があった。
ITコンサルファーム
少し毛並みが違うが、IT業界の一部にはITコンサルタントという業態がある。
大抵の場合、システム開発案件というのはSIerとユーザ企業で完結するものだ。
しかし会社をあげた大規模案件であったり、だれも経験したことのないような複雑なシステムを作るケースなどは、SIerだけでは手に余る場合がある。
そのようなとき、システムを必要としているユーザ企業は、外部のコンサルタントを雇って支援を要請する。
コンサルタントは、お客さんのために良いシステムを作るための手助けをするのが仕事だ。
例えば、お客さん自身がどのようにシステムを作るか悩んでいるときに助けてあげたり、SIerがきちんとシステムを作るように、お客さんに代わってSIerを管理する。
ITコンサルタントには、その高いコストに見合った、高い質の仕事が求められる。よって、一般的にITコンサルタントは長時間労働 かつ 精神的な負荷も高い。
もっと言えば、ITコンサルタントの仕事に正しい答えはない。常にその場で最善を尽くし続けることが仕事だ。
一方で、その対価として高い年収を得ることができる。
ITコンサルファームの例はこちら。(純粋なITコンサルファームとしては他にアクセンチュアやアビームなど)
ソフトウエアベンダ
ソフトウェアベンダは、その名の通りソフトウェアを開発・提供する会社だ。
SIerが様々な製品を組み合わせてお客さんにシステムを提供する際に、その部品の一つであるソフトウェアを作る会社である。
とはいえ、決してSIerより地位が低かったり、SIerの下請けだったりするわけではない。
優れた一つのソフトウェアは、日本だけではなく世界中で共通利用されるので、その売上は莫大となる。
年収などの待遇面も、決してSIerに引けを取らないし、場合によればSIerを超える。
ITに詳しくない人でもイメージできるようなソフトウェアの例を挙げると、やはり一番は誰もがよく利用するであろうWordやPowerPointだ。
WordやPowerPointも、様々なPCに共通で入っているソフトウェアであり、つまりめちゃくちゃ売れているということだ。(最近ではクラウド化が進んでいるが、それでもOffice365はとても売れている)
IT業界では、皆さんが普段利用しないようなソフトウェアもたくさん利用される。
例えば、データを効率的にためるためのデータベースシステムなどが筆頭だ。
データベースシステムを作っているオラクルなどは、就活生で知っている人は少ないかもしれないが超がつく優良企業だ。(性能の高さと、ビジネス上のえげつなさから、IT業界においては有名な会社だ。知らなかったらモグリ)
耳なじみのない会社も多いと思うが、優れた会社が多い業界でもあり、就職先としては穴場かもしれない。
ソフトウェアベンダの例はこちら。
ハードウェアベンダ
ハードウェアベンダは、システムが動く箱であるサーバーや、その周辺機器であるファイアーフォール、ロードバランサなど、様々な機器を開発・製造している会社だ。
IT業界の中では最も製造業に近い業態となり、各種機器を工場で生産し、SIerなどのお客さんに提供するのが仕事となる。
近年、IT業界はクラウド化が進んでおり、システムの動作環境としてAmazonが提供するAWSのようなクラウドサービスを利用するケースも増えた。
そのような背景の中、ハードウェアを個別に購入し、システムの動作環境を構築するケースは減っている。
ハードウェア業界は苦しい状況にある。
AmazonやGoogleなどが提供する大規模クラウドサービスの利用が増えていくと、ハードウェア業界も必然的に集約化され、弱い会社は淘汰されていく。
今後、特定のハードウェア企業が独り勝ちを続ける傾向は変わらず、加速していくだろう。
ハードウェアベンダの例はこちら。
通信サービス事業者
通信サービスとは、一言でいえばある場所からある場所へ、何らかの方法でデータを通信するサービスだ。
最もわかりやすいのが、スマートフォンだろう。ドコモやKDDI、ソフトバンクなどが通信サービスを提供している。
これらの会社と契約しないと、スマートフォンは電話もネットもできない、ただの箱でしかない。
スマートフォンのように、どこからでも無線で通信ができるサービスを提供するケースもあれば、ある場所からある場所へ固定のケーブルを引き、通信サービスを提供する場合もある。
企業が仕事で利用する場合は、固定で有線の通信サービスを利用するケースの方が多くなる。
具体的に言えば、全国に支店がある会社において、支店間でデータのやり取りをするようなケースだ。この場合、各支店間に通信ケーブルを引くことになる。
このような需要は大きく、社名でいえばNTT東日本・西日本やNTTコムなどはこのようなサービスを提供している。
通信サービスについては、グローバル化・他拠点化が進んだ社会においては、必須の事業となる。
よって、安定した業績があがる会社が多く、そのような会社は就活生から人気となる傾向がある。
通信サービス事業者の例はこちら
Web系
SIerに代表されるようないわゆる伝統的なシステム開発の世界とは別に、近年その規模を拡大しつつあるのが、Web系だ。
Web系の企業は、耳なじみがある会社が多いと思う。例えば、サイバーエージェントやLINE、FacebookなどはWeb系と呼べる会社だ。
これらの企業は、利用者のニーズを適切にとらえ、継続的にサービスを提供していくことが求められる。
よって、これまで書いてきた業界のなかでは、最も移り変わりが激しい業界と言える。
安定性が保証されている会社はなく、新卒でWeb系の会社に入ったとしても、一生働き続けることはないと考えた方が良い。
時代の流れに乗りつつ、自分のやりたいことをやっていきたい人に、Web系の企業は向いている。
Web系の会社については、特に大手どころについてはもう少しいろいろ書きたいと思っているが、書いた瞬間から陳腐化しそうなので考え中だ・・・
IT業界とひとまとめにせず、具体的に自分の志望先を探そう!
IT業界と一口に言っても、これだけ様々な種類の会社がある。
就職活動をする際には、IT業界とひとまとめにするのではなく、自分がどの分野の会社に入ろうとしているのか意識すると、入社後のミスマッチを防ぐことができる。
また、業界研究をしっかりやることで、面接の際に大きなアピールになるはずだ。
効率的に就活をしよう
大学生は忙しい。講義に、サークルに、バイト。就活に使える時間は限られている。
Webで情報を検索してこの記事を読んでいるあなたは「コスパがいい」就活を目指しているのではないだろうか。
実は、効率の良い就活を行うための方法は、いくつもある。
スカウト型サービスとは
一つは、ほっておいても企業からオファーが届く「スカウト型」のサービスを利用することだ。
具体的には、「キャリアチケット」のアプリがおすすめ。
キャリアチケットは、就活生の5人に1人、年間8万人が登録しているサービスである。賢く就活をしている人たちの間では、ほぼ必須のサービスになったと言えるのではないだろうか。
こちらのリンクから、ぜひアプリをインストールしてみてほしい。簡単な5つの質問に答えるだけで自分の価値観にあった企業からオファーが来るようになる。
<キャリアチケットスカウト>
また、「キミスカ」と「Offerbox」も活用すると良い。どちらも、毎年10万人の就活生が利用するしているサイトで、登録するのが当たり前のサイトだ。
<OfferBox>
<キミスカ>
エージェント型サービスとは
もう一つは、就活エージェントがあなたの就職活動を全面的にサポートしてくれる「エージェント型」のサービスだ。
そもそも就活エージェントサービスについて知らない人のために少しだけ補足しておく。
就活エージェントとは、エージェントと呼ばれる就活のプロが、企業とあなたの間に立ってあなたの就職活動をサポートしてくれるサービスのことだ。
通常であれば、就職活動をする場合、申し込んだ企業の選考はすべて自分で対応しなければならない(当たり前だが)
具体的には、企業に応募して、説明会を申し込み、面接の調整を企業の採用担当者と直接やりとりすることになるだろう。
エントリーシートや履歴書の内容は自分で考える必要がある。
面接の時は、事前に面接の対策をしてくれる人がいなければ、面接を受ける会社のことを自分で調べなければならないだろう。
就活エージェントサービスは、これらをすべて代行してくれるという強力なメリットがある。
そして、これらの就活のサポートは全て無料である。
なぜ無料で受けられるかというと、就活エージェントが提携している企業(つまり新卒者を探している会社)から料金をもらっているから。
もし、内定が出なくて困っていたり、面接に何回も落ちてしまっている人は、エージェントに自分に合った優良企業を紹介してもらい、まず一つ内定を貰ってしまうことをオススメする。
具体的にはどのエージェントに申し込めばいいのだろうか。IT業界への就職を考えている場合、IT業界に強いエージェントを選ぶべきだ。具体的には、「レバテックルーキー」が最有力候補となる。
レバテックルーキーは、新卒でITエンジニアになりたい学生の就職活動をサポートする、ITエンジニア専門の就職エージェントだ。ITを専門にサポートを行うエージェントは少ないため、最初の選択肢となるだろう。
興味がある方は、以下のリンクから申し込んでみてほしい。
<レバテックルーキー>
一方で、いきなりエージェントと相談するのは少し緊張するという方もいるかもしれない。そのような方におすすめなのが、オンライン型のエージェントサービスだ。オンライン型のサービスであれば、自宅で落ち着いて話ができるだろう。
オンライン型サービスでおすすめなのが「キャリセン就活エージェント」。興味がある方は、以下のリンクから申し込んでみてほしい。
<キャリセン就活エージェント>