シェアする

10日目(2008/8/26)

s:摩周温泉道の駅(弟子屈町) ------→ g:華やか小清水(小清水町)
走行距離:242.8km

神秘の湖、摩周湖へ。

さて、昨日頑張ったかいがあって、なんとか摩周湖に行けそうです。時間はまだ5時。通行禁止になる8時までは十分に時間があります。

それでは今日も行ってきます。

とっとと準備を済ませて、飯も食わずに摩周湖を目指す。大体ここから15kmくらい。

山を登っていく。段々と霧が立ち込めていく。いやな予感。摩周湖はほとんど霧に覆われていて、晴れることがない。湖面を見るのはとても運がよくないと難しい。

頂上に近づく。霧がひどい。こりゃだめかもな、と寝ぼけ眼で考える。

展望台についた。はやる気持ちを抑えて階段を上がる。少し開けたスペース。そこが展望場所だろう。先端に立って、湖を見る。

・・・霧しか見えねえ。うわー・・・まあ覚悟はしていたけど残念だ。ってか本当に霧しか見えないんだな。地図に、「霧しか見えないのに人を引き付ける」と書いてあったけどこれは本当だね。

しかし、なんて神秘的な雰囲気。風の音が普通のところとちょっと違う。一年中霧に覆われているくらいだから、機構自体が少し違うのだろう。

あたりには人はいない。なんてったってまだ朝6時。と思っていると・・・いた。すごいな~こんな時間に。絶対自分だけだと思っていたのに。

まあ、一度のトライで見ようってのも無理があるのかもしれないですね。摩周湖は、一生のうちに一回でいいから見てみたいです。ということで、また来ることにする。

なんでも、「摩周湖を見てしまうと結婚できない」という話があるくらい、霧が晴れるのは珍しいことらしいです。あと何回来れば見ることができるんだろう。

摩周湖は、鏡のように光を反射させるだけの透明度を持っています。そこに自分を映すと、どんなふうに見えるんでしょうね。きっと、普通の鏡とは違ったふうに見えるんだと思います。

何か、自分には見えないけどこの湖には見えるような、そんな何かを映し出してくれるんじゃないだろうか。確証はないけど。でも、そう思わせてくれるだけの空間がそこにはありました。

私が摩周湖の存在を知ったのは確か中学生の時です。まあ、某ファンタジー漫画の影響なんだけど。これで何かわかる人がいたら一生の友達になれる笑。

それ以来、ずっと自分の目で見てみたかった。その夢は、次回に持ち越しになってしまいました。私が北海道に来た理由の半分以上が摩周湖だったんだけどな。

スポンサーリンク

湖めぐりは続く

もう悔やんでもしょうがないので、次に行きます。とりあえず眠いので軽く仮眠を取った後、屈斜路湖へ。

途中でシカに遭遇。北海道にきて初めてシカに会えました。でもさすが野生、すぐ逃げた・・・

目標の屈斜路湖。左にあるのが硫黄山。

屈斜路湖には、温泉がわいています。

それを十分に示してくれるのが、この硫黄山。硫黄から煙が出ているのが見て取れます。すげー硫黄臭かった。

やっとお店を見つけたので、朝食が食べられる。と言ってもまだ7時なんですけどね。朝食を食べているときに、普段かけている目覚ましが鳴っていました。

朝食を食べて一息。そして、屈斜路湖を見に行きます。

屈斜路湖周辺には、砂湯と呼ばれるところがあります。砂を掘ると温泉が出てくるんですね。実際に掘ってみました。

あったかい!ちょっとびっくりです。そもそも、湖の一部もあったかいみたいです。どっからか温泉がにじみ出てるのかなぁ。結構面白い体験でした。

そろそろ、最初に湖を見て興奮した勢いもなくなってきて、冷静に湖を見れるようになってきました。見慣れてきてしまってちょっとさみしい。序盤ここまでで、あまりに素晴らしい景色を見すぎたので、これから楽しめるかが不安です。

しかし、やはりこんな空を見るとすごいと思う。

この写真を見て、ほかの国みたいに電柱が地下に埋められてなくてよかったなって、思った。変な捉え方かもしれないけど。

屈斜路湖を後にし、次は知床へ向かいます。

北東の果ての海。

知床半島に向かう道の途中でなんか人が海のほうに降りて行ったのを発見したので止まってみることに。

そこには、大量のサケが!生のサケを初めて見たし、しかもこんなたくさんいるのかよ!初めに見つけたときに、正直びびった。

しかし、さすがは野生の生き物だけあって、慎重にいかないとすぐに散ってしまいます。魚ってほんと泳ぐの速いですね。

そして、知床半島の入口にあるオシンコシンの滝へ。

うーん、人が多すぎますね。世界遺産になって、北海道の代表的観光スポットになってしまっただけはあります。これだけ人が多いと、十分に楽しんでる暇がないです。

滝は豪快でした。水の量に対して崖の面積が広く、岩肌が露出していて、荒々しさを増している気がします。

ただ、やはり人が多すぎて、きちんと滝の音を聞くことはできなかったです。残念。

こういうところには、時期を外したり、時間を外したりしないとちゃんと楽しめないですね。

昼ごはんは、知床の前哨地であるウトロで食べました。お店に入って、メニューを見ると、「海鮮丼 2000円」と「海鮮ラーメン 850円」があり、さんざん悩んでラーメンにしました。完全にヘタレです笑。正直850円だって痛手だもの・・・

ラーメンはおいしかった。海老とかカニとかが炒めてあって、それがラーメンにのっているのですが、炒めた魚貝類はおいしいですね。

なかなかいい選択でした。

ご飯を食べたあと、知床の観光案内所に行く。そこから歩いて20分ほどのところに、フレペの滝というのがあります。

滝に行く道は、このような遊歩道。

森を抜けると、眼前には空と海が広がっていた。

振り返ると、知床の山々が見える。霧がかっている。

先端に立つ。そこからは、オホーツクが一望できました。

今日の海は、ずいぶんと穏やかでした。北の海とは思えないくらいに。

海は、いろんな姿で私たちを迎えてくれます。

帰り道、ただただ真っ直ぐな直線があった。直線の道の先。そこは確かに見えているのに、それでも小さくてぼやけてて、そこに何があるかは、はっきりとは見えないものだ。

知床で車で行ける限界である知床五湖へ行きます。これより先は、バスでないといけません。もっと先に行くと、立ち入ることもできないらしい。

途中の道では、鹿がガシガシ現われました。人に慣れてるなといった印象。奈良の鹿ほどじゃないだろうけど、近寄っても逃げません。

知床五湖は、散歩コースのようになっていて、5湖すべてを回るには約1時間30分かかります。

最初の1湖目は、「おお~」といった感じでしたが、だんだん飽きてきました。そこまで違いがないんですよね。5つに。

あとから撮った写真も、どれがどれだかよくわからなくなった笑。

五湖を回っていたころに、天気が曇ってしまったのも残念だった。晴れていれば、もっときれいな景色が見れたのかもしれません。

五湖を歩き終えて、ほっと一息。次にどうするか考える。

時間もあるし、ドライバー&ライダーの憧れと畏敬の場所だという知床峠へ行ってみる。

ただの峠がなぜもてはやされるかというと、まず雪のせいで夏しか入れないというのと、入れたとしても天候が悪く、しかも急な山道が続き、運転が難しいからだそうで。

軽い気持ちで突入してみる。

失敗した~!

マジ怖い。前が全く見えない。この霧でしかも険しい山道だもの・・・そんな中でガンガン飛ばす他の車・・・

何とか頂上まで辿り着く。このまま進めば羅臼というところまで出ることができるが・・・諦めて引き返す。

知床峠からは北方領土が見えるそうです。ただし霧が晴れていれば!

今日は霧のせいでろくにものが見れてない。

しかし、そんな中、チャリで奮闘する少年がいたのには感動した。
行きにすれ違ったあと帰りにまたすれ違ったんだけど、風と雨とで吹きとばされそうになりながら、チャリを押して歩いていた。尊敬する。

知床を後にして、海に沿って少しだけ西に進みます。
今日は、網走まではいかず、その手前の小清水というところに泊ろうと思ってる。

途中休憩していると、高校の時の友達から電話。京都にいるらしい。彼とは札幌で会う予定。たまたま同じ時期に日本一周をしようとした友達です。

夕食はコンビニ弁当になりそうだな、と思っていると、道の駅の隣に良さ気な店を発見。入る。北海道にきてついに、念願の海鮮丼を食べる。

うーん、おいしい。ホタテが特にやばい。タコもいける。なんておいしいんだ~!

満足して、寝床につきます。今日も一日がんばりました。

旅に出てから、一日一日が充実している気がします。普段、家にいる自分というのは、どうも一日を大切にしていなかった気がする。それは、明日も同じような日が来るんだろうな~という、まあ至極当たり前の考えから来るものだと思う。

しかし、今は違う。一日一日が特別な日です。今日を逃せば、一生見ることのない場所があったりするわけです。そういうのを逃すまいと、その日を大切にしている気がする。

毎日がひどく充実している。こんな日々が続けばいいなって思います。

自分には、新しいものに挑戦する能力が足らないんですよね。それで、日々を単調なものにしてしまう。要は過度に保守的なんですよ。

そういう自分も大事だと思うけど、もっと踏み込んでもいいはず。そういう風に自分が向く環境を作れたのは、本当によかったと思ってます。

ひとりで、車で、しかも車の中に寝て、1ヶ月半も歩き回るというのは、ある種素っ頓狂な考えかもしれないけど、自分にとっては大きなことなんです、やっぱり。

さて、今日はここまで。ここまで読んでいただいてありがとうございました。
皆さんも良い旅を。

スポンサーリンク

シェアする

フォローする